かけ算はかける順番を変えることで計算がラクになると紹介しましたが(参考記事:中学数学でかけ算の問題をカンタンにする基本ワザ)、割り算ではこのワザは使えません。
かけ算は10×2でも順番を入れ替えた2×10でも答えは同じですが、割り算の10÷2と2÷10では答えが変わってしまいます。
では、割り算で計算をラクにするには、どんな技が使えるのでしょうか?
中学1年の数学の授業で逆数というのが出てきたのを覚えていますか?
【公式】かけると1になる数をもとの数の逆数という
3にかけると1になる数は「1/3(3分の1)」ですよね。
なので、「1/3」は「3」の逆数ということです。
【逆数の求め方】分母と分子を入れ替える
上の例だと、3は「3/1(1分の3)」のことなので、分母と分子を入れ替えて「1/3(3分の1)」が逆数となるわけです。
で、この逆数を何に使うのかというと、
【公式】割り算は逆数のかけ算になおせる
逆数を使えば、割り算はすべて掛け算の式に変換することができるのです。
例えば、10÷4であれば、4の逆数「1/4(4分の1)」を使って、10×1/4と変換できます。いよいよ本題です。変換すると何がイイのでしょうか?
【公式】かけ算は順番を変えても答えは同じ
割り算をかけ算にしてしまえば、この公式が使えるのです。
「10÷2」を割り算のまま入れ替えて「2÷10」にしたのでは、答えが変わってしまいます。かけ算に変換すればOK。
「10÷2」は「10×1/2」と同じ。
「10×1/2」なら「1/2×10」と入れ替えても答えが同じです。
いよいよ例題です。
次の計算をせよ。
(1)128÷4×5÷25×2
これも前から順番に計算するのでは時間がかかってしまいます。
「÷4」を「×1/4」、「÷25」を「×1/25」とすると気がつきませんか。
この2つで「×1/100」になります。
しかも、残りに「×2」と「×5」がありますよね。
「×10」と「×1/100」にそれぞれ整理できました。
「×10」と「×1/100」で「×1/10」。
問題式の残りは「128」だけ。
カンタンですよね。
答えは「12.8」です。
計算式の中に「4」と「25」(またはそれになる組み合わせ)が出てきたときは、「何かある!」と感じるようになりましょう。それが計算を早く正確にするコツです。